Bluetoothコーデックとは?対応機器や音質の違いを徹底解説
Bluetoothコーデックとは?
Bluetoothコーデックとは、音声データをワイヤレスで伝送する際に、データを圧縮・変換して機器間でやり取りするための方式です。これにより、スマートフォンやPCの音声を、イヤホンやスピーカーといったBluetooth対応機器で再生できます。
コーデックの種類によって音質や通信の遅延時間に違いが生まれ、より高性能なコーデックを使用することで、クリアな音質やスムーズな再生を実現できます。ただし、その分、電力消費も増えるため、バッテリー持ちとのバランスを考える必要があります。
目的に合ったコーデックを選ぶことは、快適な音楽鑑賞や通話環境を整えるうえで重要です。
主なBluetoothコーデックの種類と特徴
SBC(Subband Codec)
Bluetoothの基本コーデック。すべてのBluetooth機器で使用可能。
- 初期設定不要でそのまま使える
- 標準的な音質、動画視聴では音ズレが起きやすい
AAC
Apple製品と相性が良い高音質コーデック。
- iPhoneやiPadでの使用に最適
- 音質は良好で安定
- Androidでは性能が安定しないことがある
aptX
高音質と低遅延を両立したコーデック。
- CDに近い音質
- 動画の音ズレが少ない
- 対応機器はやや限られる
aptX HD
ハイレゾ級の音質を実現する高ビットレートのコーデック。
- 最大576kbpsで高精細な音再生が可能
- 動画でも音ズレが少ない
- 対応機器はかなり限られる
LDAC
最高クラスの音質を誇るソニー独自のコーデック。
- 最大990kbpsの高ビットレート
- ハイレゾ音源対応
- 電波状況により音が途切れることがある
- 対応製品は限られている
aptX Low Latency
動画・ゲーム向けに最適な低遅延コーデック。
- 音と映像のズレが最小限
- ゲームプレイや映画鑑賞に最適
- 対応機器は少なめ
aptX Adaptive
音質・遅延・接続安定性を自動で最適化する次世代型。
- aptX系の機能を統合した進化型コーデック
- 利用シーンに応じてビットレートを自動調整(最大420kbps)
- 電波干渉の多い環境でも安定した再生
- 低遅延モード搭載でゲームや動画に強い
LC3(Low Complexity Communication Codec)
省電力と高音質を両立した最新のコーデック規格。
- 新しいBluetooth LE Audioに対応
- 消費電力を抑えながら、SBC以上の音質
- 安定した接続が可能
- 今後の普及が期待されている
用途別のおすすめコーデック
音楽重視 : LDAC / aptX HD
動画・ゲーム : aptX Low Latency / aptX Adaptive
バッテリー重視 : LC3 / SBC
Apple製品 : AAC
※コーデックは送信機と受信機の両方が対応していなければ使用できません。購入時には双方の対応状況を必ずチェックしましょう。
機器の対応コーデックが異なる場合はどうなる?
異なるコーデックを持つ機器を接続する際は、双方が共通して対応している中で最も性能の良いコーデックが自動的に選択されます。
ただし、以下のような影響が出ることがあります。
音質の劣化 : 高音質コーデックが使えず、標準的なSBCが適用されることも。
遅延の増加 : 低遅延コーデックが使えず、映像と音がずれる可能性あり。
バッテリー消費増 : 再接続を繰り返すと無駄に電力を使うことも。
通信の安定性低下 : 干渉が起きやすくなり、通信距離が短くなるケースも。